「賃貸管理 = 営業」みたいなイメージ、ありませんか?
実は、賃貸管理業界には営業職以外にも重要な職種がたくさんあります。中でも、業界を縁の下で支えているのがバックオフィス職。経理、契約事務、コールセンター、業務管理など、表に出ない仕事です。
「営業はちょっと…」「ライフワークバランス重視で働きたい」「正確な事務処理が得意」——こんな人にとって、バックオフィス職は賃貸管理業界の隠れた優良職種かもしれません。
この記事では、賃貸管理のバックオフィス職について、業務内容、年収、求められるスキル、キャリアパスまで徹底解説します。営業職以外で賃貸管理業界に関わりたい人にとって、必読の内容です。
バックオフィス職の全体像
バックオフィスとは何か
賃貸管理業界における「バックオフィス職」は、営業活動を後方から支える事務系・専門職の総称です。
具体的には:
- 経理・財務:家賃集計、オーナー送金、社内経費処理など
- 契約事務:契約書作成、重要事項説明書作成、更新書類対応
- コールセンター:入居者からの問い合わせ一次対応
- 業務管理(管理本部):全体業務のフロー設計、システム運用
- 法務・コンプライアンス:契約審査、訴訟対応サポート
- 総務・人事:社内オペレーション
- データ管理・分析:管理戸数、入居率、収支データの分析
- 広告・マーケティング:オーナー向け、入居者向けの広告制作
これらは営業職と直接顧客対応をする職種以外の業務全般を含みます。会社規模によっては、これらが分業化されていたり、まとめて「管理部」「業務部」などとして組織されていたりします。
バックオフィスの社内ポジション
賃貸管理業界において、バックオフィスは売上に直結しないコスト部門として位置づけられがちです。しかし、業務管理者の配置義務化や法令対応の複雑化により、バックオフィスの重要性は年々増しています。
特に、**業務管理者(賃貸不動産経営管理士または宅建+講習修了者)**が配置されるバックオフィスは、法令上の責任を担う重要な部門として機能しています。
業態別のバックオフィス職の違い
賃貸管理業界の中でも、業態によってバックオフィス職の業務スタイルや待遇は大きく違います。
ハウスメーカー系大手のバックオフィス
特徴:
- 業務が高度に分業化されている(経理、契約、コールセンター、法務など個別部署)
- 業務マニュアルとシステムが整備されている
- 教育研修が充実
- 大手ならではの安定性
- 全国に拠点があるため、転勤の可能性も
待遇:基本給がしっかりしており、福利厚生も手厚い。退職金制度、住宅手当、社宅制度などが揃っています。
例:大東建託パートナーズ、積水ハウス不動産、大和リビングなど。
仲介系・中堅企業のバックオフィス
特徴:
- 業務が広く、一人で複数領域をカバーすることも
- 営業との距離が近く、現場感のある仕事
- 中堅規模ゆえの裁量が大きい
- 教育体制は会社差が大きい
待遇:大手より控えめだが、地域・会社によっては好待遇のケースも。
例:ハウスメイトパートナーズ、エイブル&パートナーズ、アパマンショップなど。
独立系中小のバックオフィス
特徴:
- 一人で経理・契約・コールセンター全部やるケースも
- 業務範囲が広く、何でも屋的
- 経営層との距離が近い
- 社員教育は限定的(自己学習が中心)
待遇:会社差が極端に大きい。地場の有力企業なら好待遇、零細企業だと厳しいケースも。
新興・テック系のバックオフィス
特徴:
- システム化が進んでおり、定型業務は最小化
- データ分析、業務改善が主要業務
- 若手中心、フラットな組織
- ストックオプション付きのケースも
待遇:成長期の企業は年収高め+SO。ベンチャー特有のリスクもあり。
例:GA technologies、いえらぶGROUP、ITANDIなど。
主なバックオフィス職種の詳細
職種1:経理・財務
業務内容:
- 入居者からの家賃入金確認
- オーナーへの送金事務(月次)
- 管理料、修繕費、工事費の計上
- 社内経費精算
- 月次・四半期・年次決算サポート
- 税務処理(顧問税理士との連携)
1日の流れ:朝はメールチェックと前日入金状況の確認、午前中は仕訳作業、午後は支払処理、夕方は翌日準備というルーティン。月初・月末は業務量が極端に増えるピークがあります。
特徴:
- ルーティン業務が中心、波があっても全体的に予測可能
- 数字に正確であることが最重要
- 簿記の知識が必須レベル
- 残業は月初・月末の波がある程度
年収レンジ:
- 一般職:300〜450万円
- 主任・係長:450〜600万円
- 課長・経理マネージャー:600〜900万円
職種2:契約事務
業務内容:
- 賃貸借契約書の作成
- 重要事項説明書の作成
- 契約更新書類の作成
- 解約手続き書類の処理
- 契約データのシステム入力
- 各種書類の保管管理
1日の流れ:朝の契約スケジュール確認→午前中は書類作成→午後は契約日に立ち会い(または対応)→夕方は記録整理。繁忙期(1〜3月)は契約数が3〜5倍に膨らみます。
特徴:
- 法律知識(借地借家法、宅建業法、賃貸住宅管理業法)が活きる
- 正確性が命、ミスは大きなトラブルにつながる
- 宅建士、賃貸不動産経営管理士の資格があると評価が高い
- 業務管理者として法令上の重要な役割を担うこともある
年収レンジ:
- 一般職:300〜450万円
- 主任・係長:450〜600万円
- 業務管理者・課長:600〜900万円
職種3:コールセンター(入居者対応)
業務内容:
- 入居者からの電話・メール・チャット対応
- 緊急性判断、業者手配
- クレーム一次対応
- 問い合わせ内容のシステム記録
- 営業職への引き継ぎ
1日の流れ:シフト勤務が中心。朝・夕のピーク時間帯と、深夜の緊急対応シフト。1人あたり1日30〜50件のコール対応が目安です。
特徴:
- 24時間体制(夜勤・休日勤務がある)
- 対人スキルが重視される
- 業界経験は必須ではなく、未経験から始めやすい
- ストレス耐性が必要
年収レンジ:
- 一般職:280〜400万円
- リーダー職:400〜550万円
- マネージャー:550〜750万円
職種4:業務管理(管理本部)
業務内容:
- 全社の業務フローの設計・改善
- システム運用・管理
- 営業現場からの業務改善要求の集約・実装
- 法令対応の社内ガイドライン作成
- 業務管理者の研修
- 内部統制・コンプライアンス
特徴:
- 営業現場と経営層の橋渡し役
- 業務全体を見通せる視野が必要
- 法令、システム、業務オペレーションの幅広い知識
- ある程度の現場経験があると望ましい
年収レンジ:
- 一般職:400〜550万円
- 主任・係長:550〜750万円
- 部長クラス:800〜1,200万円
職種5:法務・コンプライアンス
業務内容:
- 契約書の法務チェック
- 訴訟・係争の対応サポート
- 法令対応のガイドライン作成
- 弁護士との連携
- 社内コンプライアンス研修
特徴:
- 法律知識が深く必要(司法書士、弁護士有資格者も歓迎)
- 賃貸住宅管理業法、サブリース新法に詳しい
- 大手企業に特に必要なポジション
- 中小企業では総務と兼務するケースが多い
年収レンジ:
- 一般職:450〜600万円
- 主任・係長:600〜850万円
- マネージャー・部長:900〜1,300万円
職種6:データ管理・分析
業務内容:
- 管理戸数、入居率、解約率などのデータ集計
- ダッシュボード・レポート作成
- 経営層への報告資料作成
- マーケティング分析
特徴:
- ITスキル、データ分析スキルが重視される
- 比較的新しい職種で、需要が拡大中
- BIツール(Tableau、Power BI)の活用
- ハーバード・ビジネス・スクール的な思考力
年収レンジ:
- 一般職:400〜600万円
- 主任・係長:600〜800万円
- マネージャー:800〜1,200万円
バックオフィス職の年間サイクル
バックオフィス職の業務には、明確な年間サイクルがあります。これを理解しておくと、入社後のミスマッチを避けられます。
1月〜3月:超繁忙期
賃貸業界の最大の繁忙期。バックオフィス職も全体的に業務量が爆増します。
- 契約事務:3月の引っ越しシーズンで契約数が3〜5倍に
- 経理:月初の収支処理が膨大に
- コールセンター:新規入居者からの問い合わせが急増
この時期は、残業が常態化、休日出勤もある会社が多い。覚悟しておく必要があります。
4月〜6月:落ち着きと整理
繁忙期が終わって、業務量は落ち着きます。
- 繁忙期の積み残し業務の整理
- 翌期の体制整備
- 新人研修(4月入社組のケア)
- 年次決算サポート(3月決算企業)
ワークライフバランスを取り戻せる時期です。
7月〜9月:中期業務
夏場は比較的穏やか。
- 通常業務の継続
- 上半期の振り返り
- システム改善プロジェクト
- 資格試験準備(賃貸不動産経営管理士は11月)
10月〜12月:年末準備
年末に向けた業務集中。
- 来年繁忙期に向けた契約準備
- 年末の経理処理(年末調整、年次決算)
- 年内最後の更新ラッシュ
- 翌年の予算策定サポート
月次サイクル
月単位でも明確なサイクルがあります。
- 月初(1〜10日):オーナー送金、収支報告作成のピーク
- 月中(11〜20日):通常業務、契約処理
- 月末(21〜末日):解約手続き、翌月入金準備
このサイクルを理解しておくと、面接時に**「業務量の波」**を質問する際の指針になります。
バックオフィス職のメリット・デメリット
メリット
メリット1:ワークライフバランスが取りやすい
営業職と比べて、業務量の波が予測しやすいのがバックオフィス職の最大の魅力。月初・月末・繁忙期の波はあるものの、「夜中の電話で起こされる」「休日にオーナー訪問」のようなことは少ない。
メリット2:数字目標のプレッシャーが少ない
営業職のような「個人の成績」を求められないので、数字へのプレッシャーが少ない。チーム全体の業務遂行が評価対象になります。
メリット3:専門性が積み上がる
経理、契約事務、法務など、業務領域での専門性が継続的に積み上がる。業界が変わっても通用するスキルになる。
メリット4:女性が活躍しやすい
賃貸管理業界の中でも、バックオフィス職は女性比率が高い領域。育休・産休・時短勤務などの制度を活用しやすいです。実際、業界大手のバックオフィス職では、女性社員の比率が60〜70%に達するケースも珍しくありません。
メリット5:長期キャリアを築きやすい
40代、50代、60代と、長期的に続けられるキャリアになります。年齢で衰えにくく、経験値が活きる職種。営業職のように体力勝負ではないので、長期勤務に向いています。
デメリット
デメリット1:年収の天井が営業より低い
営業職と比べて、年収レンジが控えめ。インセンティブで稼ぐ機会も少ない。トップ層でも1,000〜1,500万円が天井。
デメリット2:ルーティン業務が多い
毎日同じ業務を繰り返す傾向があり、変化を求める人には物足りない。
デメリット3:社内政治が見えやすい立場
経営層と現場の中間にいるため、社内の駆け引きを目の当たりにすることも。これが嫌なタイプの人には向きません。
デメリット4:業績悪化時のリストラ対象になりやすい
「コスト部門」と見なされやすいので、業績悪化時にリストラ・人員削減の対象になりやすいリスクがあります。
デメリット5:現場の感覚から離れる
オフィスでの業務が中心なので、現場感覚から離れていく傾向。これがキャリアの幅を狭めることも。
求められるスキル・資格
共通スキル
- 正確性・几帳面さ:ミスが許されない業務が多い
- ITリテラシー:Excel、Word、業界システム
- コミュニケーション力:営業現場、経営層との連携
- 法律理解:借地借家法、宅建業法、賃貸住宅管理業法
- 学習意欲:法令改正、システム変更への対応
職種別の必須スキル
経理:
- 簿記2級以上
- 会計ソフト操作スキル
- 税務の基礎知識
契約事務:
- 宅建士(必須レベル)
- 賃貸不動産経営管理士(あれば理想)
- 文書作成能力
コールセンター:
- 電話応対の基本マナー
- ストレス耐性
- 多言語対応(英語、中国語など)があれば優位
業務管理:
- 業務改善の経験
- システム理解
- プロジェクトマネジメント力
法務:
- 法学部卒、司法書士、行政書士、弁護士などの法律系資格
- 不動産関連法律の専門知識
データ分析:
- Excel上級、SQL、Python
- BIツール経験
- 統計の基礎知識
おすすめ資格の優先順位
バックオフィス職を目指すなら、以下の資格が役立ちます。
- 宅地建物取引士(宅建):必須レベル
- 賃貸不動産経営管理士:業務管理者としてのキャリアに直結
- 日商簿記2級以上:経理職に必須
- 管理業務主任者:マンション管理側にも展開できる
- FP2級:オーナー対応にも活きる
バックオフィス職の1日(契約事務スタッフのケース)
具体的なイメージを掴むため、契約事務スタッフ(30歳・経験5年・架空モデル)の1日を見てみます。
8:30〜9:00|出勤・メールチェック
朝は出社して、夜間に届いたメールの確認。営業からの契約依頼、オーナーからの質問、入居者からの問い合わせなど。
9:00〜12:00|契約書類作成
午前中は集中して書類作成。
- 新規契約の重要事項説明書、契約書作成
- 更新契約の書類準備
- 解約手続き書類の処理
繁忙期は1日に10〜20件の契約処理が必要なこともあり、集中力と正確性が求められます。
12:00〜13:00|昼食
社内で他のスタッフと和やかに昼食。職場の雰囲気はアットホームな会社が多いです。
13:00〜15:00|営業現場サポート
午後は営業からの依頼対応。
- 契約立ち会いのための準備(書類準備、押印確認)
- 契約条件の変更対応
- 緊急の契約調整(クライアントの予定変更など)
- データ入力(契約後の処理)
15:00〜17:00|システム入力・確認業務
- 契約データのシステム登録
- 送付書類の郵送・配信
- 翌日のスケジュール確認
- 顧問の弁護士・司法書士への確認事項整理
17:00〜18:00|残業 or 退社
業務量が落ち着いていれば定時退社。繁忙期は19時頃までの残業もあり。
ポイント:営業職と違って、夜の対応や休日対応はほぼない。これがバックオフィス職の大きな魅力です。
未経験からバックオフィス職に転職するルート
賃貸管理業界のバックオフィス職は、未経験からも入りやすい領域です。具体的なルートを紹介します。
ルート1:他業界の事務職経験者
経理・総務・人事・カスタマーサポートなど、他業界の事務職経験は十分に活かせます。賃貸管理業界特有の知識は入社後に学べばOK。
特に、以下の業界経験は評価されます:
- 不動産売買仲介、住宅メーカーの事務職
- 銀行・信金の事務職
- 保険会社の事務職
- 一般企業の経理・総務
ルート2:新卒・第二新卒
社会人経験が浅い新卒・第二新卒でも、未経験から入れる領域。契約事務、コールセンターは未経験OKの求人が多いです。
ルート3:資格取得後の転身
宅建、賃貸不動産経営管理士、簿記2級などを取得してから転職活動すると、書類選考の通過率が大きく上がる。
ルート4:派遣社員→正社員ルート
派遣社員として賃貸管理会社のバックオフィスで経験を積み、その後正社員登用というルートも一般的。未経験でリスクなく業界に入れるメリットがあります。
ルート5:子育てから復帰する人
育児で離職した女性が、賃貸管理のバックオフィス職で復帰するケースも多い。時短勤務、パートからスタートというキャリアもあり得ます。
バックオフィス職に向いている人・向いていない人
向いている人
- 正確で几帳面な性格
- ルーティン業務を苦にしない
- データや書類を扱うのが好き
- 営業の数字目標が苦手
- ライフワークバランスを重視する
- チームワークを大事にする
- 法律や手続きへの興味がある
向いていない人
- 動きの大きな仕事を好む
- 数字目標で自分を追い込みたい
- 変化や刺激を常に求める
- ルーティン業務に飽きやすい
- 社内政治を避けたい(完全には避けられない)
- 顧客と直接対話したい
バックオフィス職の年収アップ方法
「バックオフィスは年収が伸びにくい」と思っている人もいますが、戦略的にキャリアを設計すれば年収アップは可能です。
方法1:資格取得+業務管理者へ
宅建+賃貸不動産経営管理士を取得して業務管理者になると、社内的なポジションが上がり、年収も100〜200万円アップする可能性。
方法2:管理本部・経営企画への昇格
現場のバックオフィス → 管理本部・経営企画への異動で、年収が大きく伸びます。経営層に近いポジションは、年収レンジも上がります。
方法3:大手・中堅への転職
中小企業から大手・中堅企業へのバックオフィス転職で、年収が100〜300万円アップするケースは多い。業務知識を持った即戦力として高評価されます。
方法4:不動産テック企業へのキャリアチェンジ
賃貸管理業務を熟知している人材は、不動産テック企業のCSやBizOpsで重宝されます。年収レンジが大きく上がる(700〜1,200万円)+ストックオプションも視野に。
方法5:法務・コンプライアンスの専門化
賃貸住宅管理業法の知識を深めて、法務・コンプライアンスの専門家へ。法的リスク管理の専門人材は、業界全体で需要が高い。
方法6:データ分析スキルの習得
Excel、SQL、Tableau、Pythonなどのデータ分析スキルを身につけて、データドリブンな業務に展開。**「分析できるバックオフィス人材」**は希少価値が高い。
バックオフィス職のキャリアパス
パス1:同職種で深める
経理10年、契約事務15年、というように、同じ職種で専門性を深めるキャリア。マネージャー、部長へと昇進していく。
パス2:営業職への転身
バックオフィスで業界知識を身につけてから、オーナー対応営業に転身するパターン。社内の業務を熟知している強みを活かせる。
パス3:他社へのキャリアアップ転職
業務知識・資格を身につけてから、より大手・好待遇の会社へ転職。バックオフィス職は会社差が小さいので、年収アップを狙える転職が可能。
パス4:管理本部・経営企画への昇格
業務管理の経験を活かして、管理本部・経営企画のマネジメント職へ。経営層に近い立場で、会社全体の業務改善を主導する役割。
パス5:不動産テック企業への転職
賃貸管理業務の課題を熟知している人材は、不動産テック企業のプロダクト開発・カスタマーサクセスで重宝されます。
パス6:独立・起業
行政書士、司法書士などの資格と組み合わせて、不動産専門の事務所として独立。個人オーナー、小規模管理会社向けにサービスを提供。
バックオフィス職の業界トレンド
トレンド1:DX化の進展
経理、契約事務、コールセンターなど、DX化が最も進んでいるのがバックオフィス領域。電子契約、AI見積もり、チャットボットなどの導入で、業務効率が大幅に向上しています。これにより、**「単純作業をやる職種」から「業務改善を主導する職種」**へとバックオフィスの役割が進化しつつあります。
トレンド2:業務の専門化・分業化
中堅以上の管理会社では、バックオフィス業務がさらに専門化・分業化されています。経理、契約、コールセンターなど、それぞれが独立した部署として運営されることが多くなりました。これにより、より専門性の高い人材が求められる傾向が強まっています。
トレンド3:女性管理職の増加
バックオフィスでは女性社員の比率が高く、女性管理職への昇進機会が増えています。ダイバーシティ経営の進展で、この傾向は今後も続きます。育休・産休後の復帰も支援され、長期キャリアを築きやすい環境が整いつつある。
トレンド4:外注・アウトソーシングの活用
コールセンター、経理事務など、外部のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を活用する管理会社が増加。**社内バックオフィスの役割は「外部との連携・管理」**にシフトしつつあります。これにより、社内バックオフィス職に求められるスキルも、ベンダーマネジメントや外部委託の品質管理にシフト中。
トレンド5:データ分析職の需要拡大
データドリブンな経営判断のために、データ分析職の需要が急増中。ITスキルを持ったバックオフィス人材は、市場価値が大きく上がっています。賃貸管理業界の中でも、最も伸びている職種のひとつと言えます。
まとめ|営業以外の選択肢を真剣に検討しよう
賃貸管理のバックオフィス職を見てきました。最後にポイントをまとめます。
- バックオフィス職は経理、契約事務、コールセンター、業務管理、法務、データ分析など多様
- 年収レンジは300〜1,300万円、職種・経験により幅広い
- メリットはワークライフバランス、数字プレッシャーの低さ、専門性、女性活躍
- デメリットは年収天井、ルーティン業務、リストラリスク
- 必須スキルは正確性、ITリテラシー、コミュニケーション、法律理解
- 推奨資格は宅建、賃貸不動産経営管理士、簿記2級
- キャリアは専門深化、営業転身、他社転職、経営企画、テック転身、独立など
最後に強調しておきたいのは、「営業以外の選択肢」を真剣に検討してほしいということ。
賃貸管理業界の求人サイトを見ると、営業職の求人ばかり目立ちますが、実はバックオフィス職にも継続的なニーズがあります。自分の性格に合わない営業職に飛び込んで、すぐに辞めてしまうより、自分の得意・好きを活かせるバックオフィス職を選ぶほうが、長期的に幸せなキャリアになる人も多い。
特に、正確性が得意な人、ライフワークバランスを重視する人、女性で長く働きたい人にとって、バックオフィス職は隠れた優良選択肢です。
応募する際は、求人票の業務内容を詳しく確認し、「バックオフィス内のどの職種か」「業務範囲はどこまでか」「使うシステムは何か」を必ず確認してください。同じ「事務職」でも、会社によって業務内容は大きく違います。
賃貸管理業界は、営業だけでなく多様な働き方ができる業界。自分に合った職種を見つけてください。
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参考にした一次情報・データソース
- 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」
- 各社採用ページ・職種紹介
- 求人ボックス、Indeed、エン転職等の求人データ
- 業界専門紙(全国賃貸住宅新聞)の業務解説記事
- 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)資料
- 賃貸管理ソフト各社の業務フロー資料
この記事は2026年5月時点の情報に基づいて執筆しています。具体的な業務内容・待遇は会社により異なります。応募前に各社の採用情報を必ずご確認ください。

