「リーシングって、結局のところ仲介と何が違うの?」
賃貸管理業界の求人を見ていると、**「リーシング業務」**という言葉によく出会います。でも、調べても「客付け業務です」「賃貸仲介と似ています」みたいなぼんやりした説明しかなくて、実態がよくわからない。
正直、業界に入る前は私も混乱しました。「リーシング」「仲介」「客付け」「営業」——同じような業務を指す複数の用語が飛び交っている。これ、業界経験者でもうまく説明できる人が少ないんです。
この記事では、賃貸管理職におけるリーシング業務とは何か、賃貸仲介とどう違うのか、現場での連携はどうなっているのかを、構造的に整理します。特に「仲介志望だったけど、リーシングも気になる」「賃貸管理だけど、仲介に近い動きもしたい」という人には、必読の内容です。
リーシングと仲介の根本的な違い
最初に、最大の混乱点をクリアにします。リーシングと仲介は、立場と目的が根本から違います。
賃貸仲介:借主を紹介する側
賃貸仲介(街中の「○○ショップ」みたいな店舗)は、借主(部屋を借りたい人)の代理人として、適切な物件を探して紹介する業務です。
仲介業者の主な動き:
- 部屋探しの相談を受ける
- 条件に合う物件を提案する(自社管理 or 他社管理問わず)
- 内見対応する
- 申込書を作成する
- 契約手続きをサポートする
- 仲介手数料(家賃0.5〜1ヶ月分)を借主から受け取る
要は、借主から「部屋を探してほしい」と依頼を受けて動く仕事。客付け業者とも呼ばれます。
リーシング(賃貸管理側):オーナーから委託を受けて空室を埋める
一方、リーシングは管理会社の社内業務として、自社管理物件の空室を埋めるための活動全般を指します。
リーシング担当者の主な動き:
- 自社管理物件の空室状況の管理
- 募集条件(家賃・敷礼・条件)の設定
- 物件情報の各種媒体への掲載(SUUMO、HOME’S、アットホームなど)
- 仲介業者(他社含む)への物件情報の提供
- 内見対応(自社か仲介業者経由か)
- 申込・入居審査
- 契約締結
要は、オーナーから委託を受けた管理物件について、入居者を見つけて契約を締結する仕事。仲介業務とは「立場」が違うわけです。
両者の関係性
実際の現場では、両者は密接に連携しながら、別々の役割を果たしています。
借主が部屋を探すフロー:
- 借主が仲介業者A社に来店、希望条件を伝える
- 仲介業者A社が、複数の管理会社の物件情報を検索
- リーシング担当のいる管理会社B社の物件が見つかる
- 仲介業者A社が借主を案内、内見手配は管理会社B社のリーシング担当に依頼
- 借主が物件を気に入って申込
- 申込書類は仲介業者A社→管理会社B社のリーシング担当へ
- 入居審査は管理会社B社のリーシング担当が実施
- 契約締結
この流れの中で、**仲介業者は「借主側の代理」、リーシング担当は「オーナー側の代理」**として動いている。これが両者の本質的な違いです。
兼業の場合もある
ややこしいのは、仲介と管理の両方をやっている会社が多いことです。
例えばエイブルやハウスメイトのような仲介+管理の両輪企業では、店舗で借主の接客もすれば、自社管理物件の空室も埋める。同じ社員がリーシングと仲介の両方をやることも珍しくありません。
ただし、業務として分けて理解しておくことは重要。**「今日の業務は、借主側の代理として動くか、オーナー側の代理として動くか」**で、思考と行動が変わります。
リーシング担当の1日
リーシング担当の典型的な1日を、賃貸管理営業(オーナー対応職)との違いを意識しながら見ていきます。
9:00 出社・空室状況のチェック
朝イチで、自社管理物件の空室一覧と、各物件の募集状況を確認します。
- 前日からの新規空室発生(退去予定の確認)
- 内見予約の入っている物件
- 申込が入った物件の進捗
- 競合物件の動向(同じエリアの空室)
リーシング担当の仕事は「空室を埋める」ことなので、空室の数、滞留期間、家賃水準を常に意識するのが基本です。
10:00 物件情報の媒体掲載・更新
各種ポータルサイト(SUUMO、HOME’S、アットホームなど)への物件情報の掲載・更新作業。
- 新規空室の物件情報をアップロード
- 写真の差し替え、間取り図の確認
- 募集条件の見直し(長期空室物件は条件変更を検討)
- キャンペーンの設定(フリーレント、家賃割引)
ポータルサイトの掲載順位やCTR(クリック率)を見ながら、**「どうしたらこの物件が選ばれるか」**を考える業務です。
11:00 仲介業者からの問い合わせ対応
リーシング担当の業務時間の多くを占めるのが、他社仲介業者からの問い合わせ対応です。
問い合わせ内容:
- 「○○ハイツの○号室、まだ空いてますか?」
- 「内見可能ですか?」
- 「家賃交渉できますか?」
- 「申込が入ったので審査をお願いします」
- 「ペット相談可ですか?」
これらに対して、自社管理物件の状況を即座に答えられるかが、リーシング担当の腕の見せ所。レスポンスの速さで、空室を埋められるかどうかが決まります。
13:00 内見対応・現地視察
午後は内見対応や現地視察に出ることが多いです。
- 仲介業者と借主が来る内見の対応
- 自社で借主を案内する内見
- 退去後の物件の状態確認(原状回復後のチェック)
- 競合物件の市場調査
内見対応では、**「物件の魅力をどう伝えるか」**が重要。ただ案内するだけでなく、エリアの特徴、周辺施設、入居者層など、付加情報を提供できる担当者は決定率が高い。
15:00 申込書類の処理・入居審査
申込が入った案件の処理。
- 申込書類の確認
- 保証会社への審査依頼
- 連帯保証人の確認
- 入居者の本人確認
- オーナーへの最終確認(必要な場合)
入居審査の合否を決めるのもリーシング担当の業務。家賃滞納リスクや、トラブル予防のためのチェック項目を厳しく見ます。
16:00 契約準備・打ち合わせ
審査が通った案件は、契約準備に進みます。
- 契約書類の作成
- 重要事項説明の準備
- 入居日の調整
- 鍵の準備
- 火災保険の手配
契約締結も、リーシング担当が行うことが多いです。重要事項説明は宅建士が必要なので、宅建保有者が担当します。
17:00 オーナー報告・社内連携
夕方は、進捗状況をオーナー対応営業に共有したり、オーナーへの直接報告をしたりします。
- 申込状況のオーナー報告
- 長期空室物件の対策提案
- 月次の募集状況レポート作成
リーシング担当はオーナー対応営業との密な連携が必須。空室期間が長くなったら一緒に対策を考える、契約条件の変更が必要なら共同でオーナーに提案する、という動き方になります。
18:00 退社
定時退社できる日が比較的多いのがリーシング担当の特徴。繁忙期(1〜3月)を除けば、比較的予定が立てやすい業務です。
リーシング業務の1ヶ月の流れ
リーシングも月単位の業務サイクルがあります。
月初(1〜10日):退去・新規入居の処理ピーク
賃貸契約は月末締め・月初開始が多いため、月初は退去と新規入居の手続きが集中します。
- 月末退去者の鍵返却・原状回復確認
- 新規入居者の鍵渡し・入居前確認
- 月初の入居・退去にかかる事務処理
この時期は他のリーシング業務(募集、内見対応)の時間が圧迫されがちです。
月中(11〜20日):通常業務+次月分の準備
月中は比較的落ち着いた時期。
- 通常の募集・内見対応
- 次月退去予定者への原状回復見積もり
- 長期空室物件の対策実施
- 募集条件の見直し
月末(21〜末日):契約締結ラッシュ+月末事務
月末は新規契約の締結が集中する時期。
- 翌月入居予定者との契約締結
- 入居審査の最終確認
- 月末退去の準備
繁忙期(1〜3月)は、これらすべてが3〜5倍の量になります。月末・月初は特に忙しい。
空室対策の具体的な手法|リーシング担当の腕の見せ所
リーシング担当の最大のミッションは**「空室を埋める」**こと。具体的にどんな手法を使って空室を埋めていくのかを見ていきます。
手法1:募集条件の見直し
最もベーシックな空室対策です。
- 家賃の調整:近隣相場を見て、適正水準に下げる
- 敷金・礼金の引き下げ:初期費用を抑えて、入居しやすくする
- フリーレントの導入:1〜3ヶ月の家賃無料期間を設定
- 保証会社の選択肢拡大:より審査が通りやすい保証会社の追加
これらはオーナーの収益と入居率のバランスをどう取るかが判断のポイント。即決できることもあれば、オーナーとの綿密な相談が必要なことも。
手法2:広告料(AD)の調整
ADを上げて、仲介業者の積極性を引き出す手法です。
例えば、AD0からAD1ヶ月に上げると、仲介業者の取り分が増えるので、その物件を借主に積極的に紹介してくれるようになります。AD2ヶ月、AD3ヶ月と上げていくと、効果はさらに大きくなる。
ただし、ADはオーナーの実質負担になるため、むやみに上げるのは難しい。空室期間が長くなって機会損失が大きくなるくらいなら、ADを上げて早期に決めるほうが良い、という判断が必要です。
手法3:物件の魅力度向上
物件そのものの価値を上げる対策。
- 写真の差し替え:プロカメラマンに依頼、明るく広く見える写真に
- 間取り図の改善:わかりやすいプロ仕様の間取り図に
- VR内見の導入:遠方の借主にも訴求
- ホームステージング:家具・小物を配置して生活感を演出
特に写真の品質は決定率に直結します。ポータルサイトでは、写真の良し悪しでクリック数が3倍以上変わることもある。
手法4:設備の更新・追加
空室期間を活用して、人気設備を追加する対策。
- 無料Wi-Fi(月額数千円のコストで大きな訴求効果)
- 宅配ボックス(単身者向けに必須化)
- 防犯カメラ(共用部に設置)
- スマートロック(若年層向けに人気)
- 室内干し用のランドリースペース
これらは初期投資はかかるが、家賃アップや空室期間短縮で回収可能な投資。リーシング担当として、オーナーへの提案資料を作成することが多い業務です。
手法5:ターゲット層の変更
物件のターゲットを変えて、新しい需要を取り込む対策。
- 単身者向け→ファミリー向け(間取り変更)
- 学生向け→社会人向け(設備変更)
- 一般→ペット可
- 一般→外国人OK
- 通常賃貸→マンスリーマンション
特にペット可化は、空室期間の長い物件への対策として効果が大きい。ペット可物件はまだ少数派なので、競合が少なく、家賃も高めに設定できます。
手法6:リフォーム・リノベーション
築古物件で効果的な対策。
- 内装の全面リフォーム
- 設備の最新化
- デザイナーズリノベーション
- 共用部のリニューアル
投資額は大きいですが、家賃を1〜2割上げられて、空室期間も大幅短縮できる。中長期的なROIは悪くない投資です。
手法7:SNSや動画の活用
最近のトレンドとして、TikTok・Instagram・YouTubeを活用した物件紹介が増えています。
- 物件紹介動画(間取り、エリア紹介)
- ライブ内見
- インフルエンサーとのコラボ
特に若年層の借主向けには、ポータルサイトより動画のほうが訴求力が高いケースも。テック系企業や、若手担当者中心の会社で取り組みが進んでいます。
リーシングと仲介の連携の実際
「リーシングは仲介とどう連携するのか」を具体的に見ていきます。
元付業者と客付業者の関係
賃貸仲介の世界には、**「元付(もとづけ)業者」と「客付(きゃくづけ)業者」**という用語があります。
- 元付業者:オーナーから物件を預かって、募集している側=管理会社のリーシング担当
- 客付業者:借主と接して、物件を紹介する側=街中の仲介業者
両者は独立した会社の場合もあれば、同じ会社の中で役割分担している場合もあります。エイブルやハウスメイトのような両輪企業では、社内で両方の機能を持っています。
REINSと不動産ポータルサイトでの情報共有
元付業者(リーシング担当)が空室物件を**REINS(レインズ:不動産流通標準情報システム)**に登録すると、全国の仲介業者(客付業者)がその情報を閲覧して、自分の顧客に紹介できるようになります。
REINSは業者専用のシステムで、登録物件には:
- 物件の詳細情報
- 募集条件
- 仲介手数料の取り扱い(誰がいくらもらうか)
- 専任媒介・一般媒介の区分
などが記載されています。
合わせて、SUUMO・HOME’S・アットホームなどの一般向けポータルサイトにも掲載することが一般的。これらは借主が直接見るので、写真や物件説明の見せ方が大事になります。
AD(広告料)の存在
業界用語で**「AD(広告料)」**というものがあります。これは、元付業者が客付業者に「うちの物件を借主に紹介してくれたら、ありがとうのお礼を払います」という意味の費用です。
通常、AD金額は:
- 一般的な物件:家賃の1ヶ月分前後
- 長期空室物件:家賃の2〜3ヶ月分(高めに設定して仲介業者にアピール)
- 人気エリアの物件:ゼロまたは0.5ヶ月分
リーシング担当は、AD金額の設定を通じて、仲介業者の動きをコントロールします。長期空室を解消したいときは、ADを上げて仲介業者の関心を引く——これがリーシング業務の重要なテクニック。
仲介業者との関係構築
リーシング担当の重要な仕事のひとつが、仲介業者との関係構築です。
- 定期的に挨拶回りに行く
- 新着物件をいち早く伝える
- 仲介業者からの問い合わせに丁寧に答える
- 業界の情報交換会に参加する
仲介業者から「この物件、紹介しやすい」「あの担当者は対応がいいから優先したい」と思われると、自社管理物件の決まり方が大きく変わります。B2B営業の側面が強いのがリーシング業務の特徴です。
リーシング業務のKPIと評価指標
リーシング担当の評価は、明確な数字で測られます。主要なKPIを押さえておくと、業務に対する理解が深まります。
KPI1:入居率(稼働率)
最も重視されるKPI。管理戸数のうち、実際に入居している戸数の割合。
- 業界平均:90〜95%
- 大手の優良管理:95〜98%
- 困難物件中心:80〜90%
例えば、積水ハウス不動産は数年間98%前後の入居率を維持しています。これは業界トップクラスの水準。
KPI2:平均空室期間
空室が発生してから次の入居者が決まるまでの平均日数。
- 業界平均:30〜60日
- 都心人気エリア:15〜30日
- 地方・築古物件:60〜120日
リーシング担当はこの数字を短くするためのあらゆる手段を考えます。
KPI3:成約率
内見した借主のうち、何%が実際に契約に至ったか。
- 業界平均:30〜40%
- 優秀な担当者:50%超
- 物件・エリアの魅力次第で大きく変動
成約率を上げるには、内見時の説明力、物件の見せ方、借主のニーズ把握が重要。
KPI4:仲介業者からの紹介件数
他社仲介業者から、自社管理物件に対する問い合わせ・申込件数。
これが多いほど、業界での知名度や紹介ネットワークが広いことを意味します。長期的な競争力の指標として重要。
KPI5:契約獲得単価
1件の契約獲得にかかったコスト(広告費、AD、人件費など)。
これを意識すると、**「どのチャネルが効率的か」**が見えてきます。SUUMOへの掲載がROIが高いのか、ADを上げて仲介業者経由で決めるのが効率的か、などの判断材料に。
数字を意識する習慣の重要性
リーシング担当として成功する人は、毎日これらの数字をチェックする習慣があります。
朝イチで前日の問い合わせ件数を見る、週次で各物件の閲覧数(ポータル)を見る、月次で稼働率の推移を見る。**「数字を見ながら手を打つ」**サイクルを回せる人が、長期的に成績を上げます。データを見る習慣は、入社後すぐに身につけるべきプロの基本所作です。
リーシングで身につくスキル
リーシング業務を通じて身につくスキルを整理します。
1. マーケティング感覚
物件の魅力をどう伝えるか、どんな写真・文章が反響を呼ぶか、どのポータルサイトで露出を最大化するか。B2B・B2Cの両面のマーケティング感覚が身につきます。
2. 価格設定・交渉力
家賃の設定、ADの調整、敷礼の見直しなど、「数字で人を動かす」感覚が磨かれます。
3. 業者ネットワーク
仲介業者、保証会社、保険会社、リフォーム業者、清掃業者など、業界横断のネットワークが築けます。これは独立した時にも大きな資産になります。
4. 物件知識
物件のタイプ、エリアの特性、入居者層の傾向。**「物件を見ただけで需要が予測できる」**レベルの目利き力が身につきます。
5. 入居審査の判断力
申込者の属性、勤続年数、年収、居住目的などから、入居後のトラブルリスクを判断する力。これは管理側の経験者だからこそ持てるスキルです。
リーシング担当のキャリアパス
リーシング担当からのキャリア展開は以下のパターンがあります。
パターン1:オーナー対応営業へ
リーシングで管理戸数全体の動きを把握した上で、オーナー対応営業に移るパターン。**「客付けがわかる営業」**として、提案力が高い人材になれます。
パターン2:店長・支店長への昇進
リーシングの実績を上げて、店舗運営側にキャリアアップ。直営店の店長、エリアマネージャーへ。
パターン3:独立・FC経営
リーシング業務の経験を活かして、自分で仲介・管理の会社を立ち上げる。FCに加盟するパターンも。
パターン4:不動産テック企業へ
リーシングのDX化が進む中で、いえらぶGROUP、ITANDIなどのテック系企業に転身。業界知識を持ったプロダクトマネージャーとして活躍できます。
パターン5:売買仲介への転身
賃貸リーシングで得た顧客対応力を、売買仲介に活かす。賃貸より単価が大きく、年収アップも狙える。
リーシング担当の年収レンジ
リーシング担当の年収レンジは、業態と歩合制度の有無で大きく変わります。
業態別
- ハウスメーカー系大手:350〜600万円(基本給ベース、歩合控えめ)
- 仲介系・FC型:300〜700万円(歩合の比重大、トップは1,000万円超)
- 独立系専業:300〜550万円
- テック系:400〜700万円(基本給ベース+SO)
経験年数別
- 20代:300〜500万円
- 30代:400〜700万円
- マネージャークラス:600〜900万円
特に仲介系の歩合給制度では、繁忙期の上振れが大きいのが特徴。月の契約件数が多い人は、年収の伸びが他業態より早い。
リーシング業務に向いている人・向いていない人
向いている人
- 数字目標が好きな人:成約件数、AD設定、空室期間など、数字管理が中心
- 多くの人と関わるのが好きな人:仲介業者、借主、オーナー、業者など接点が多い
- マーケティング思考の人:「どう見せると選ばれるか」を考えるのが好き
- 臨機応変に動ける人:急な内見依頼、申込対応など瞬発力が必要
- 長期関係より短期決戦が得意な人:オーナー対応より瞬発力重視
向いていない人
- じっくり考えてから動きたい人:即断即決が求められる
- 数字プレッシャーが嫌いな人:目標未達のプレッシャーは強め
- 対面コミュニケーションが極端に苦手な人:仲介業者・借主との対話は必須
- ルーティン業務が好きな人:変化が多すぎて疲れるかも
リーシング担当を目指す人へのアドバイス
最後に、リーシング担当を目指す人へのアドバイスをまとめます。
アドバイス1:宅建を必ず取得する
リーシング業務は契約締結や重要事項説明を扱うため、宅建が実務上必須です。資格手当もつくので、未経験者はまず宅建取得を目指してください。
アドバイス2:業態を慎重に選ぶ
リーシング業務の中身は、業態で大きく変わります。
- 営業色を強く出したい:仲介系・FC型
- 安定した環境を望む:ハウスメーカー系大手
- 専門性を深めたい:独立系
- IT領域に挑戦したい:テック系
自分のスタイルに合う業態を選ぶことが、長続きする鍵です。
アドバイス3:オーナー対応営業との連携を意識する
リーシング担当は、オーナー対応営業と二人三脚で動きます。「リーシングだから関係ない」と思わず、オーナーの状況も理解する姿勢が、長期的なキャリアアップにつながります。
アドバイス4:仲介業者との関係を大切にする
仲介業者との関係が、自分の数字を作ります。「上から目線」で接すると、確実に物件を紹介してもらえなくなります。対等な関係で、相手の利益も考えながら付き合うことが鉄則。
アドバイス5:DX対応を進める
リーシング業務もDX化が進んでいます。物件管理システム、ポータルサイト管理、電子契約システムなど、ITツールに強くなることが、長期的な競争力になります。
まとめ|リーシングは「ハイブリッド職種」の魅力
リーシング業務の実態を見てきました。整理するとこうです。
- リーシングは**「オーナー側の代理として、自社管理物件の入居者を見つける」**業務
- 賃貸仲介とは立場(オーナー側 vs 借主側)が根本から違う
- 仲介業者との連携、REINSやポータルサイトの活用、AD設定が業務の核
- 主要KPIは入居率・平均空室期間・成約率・仲介紹介件数・契約獲得単価
- 身につくスキルはマーケティング・価格設定・業者ネットワーク・物件知識
- 年収レンジは300〜700万円が中心、歩合制度がある会社では上振れあり
- **「数字目標が好きで、多くの人と関わるのが好きな人」**に向いている
リーシング業務の魅力は、仲介と管理の両方の要素を持つハイブリッド職種であること。営業力を磨きながら、管理側の知識も身につく——これは、不動産業界で長く働くうえで最強の組み合わせのひとつです。
賃貸仲介一本で行くのは難しい時代になっていますが、リーシング+管理の組み合わせなら、長期的にキャリアを積み上げられる。これがリーシング業務を選ぶ最大の理由になり得ます。
転職先を選ぶ際は、自分が**「仲介寄り」のリーシングを志向するのか、「管理寄り」のリーシングを志向するのか**を考えて、業態を選んでください。同じ「リーシング」でも、業態によって動き方は全然違います。
そして、業界全体の流れとしてリーシング業務はDX化の影響を強く受ける領域です。AIによる物件マッチング、VR内見、IT重説、自動化ツール——これらを使いこなせるかどうかで、将来の市場価値が変わります。「数字に強くて、ITも使える、人間関係も築ける」リーシング担当は、業界が縮小局面に入っても引く手あまたの人材になれるはずです。
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参考にした一次情報・データソース
- 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」
- 公益財団法人不動産流通推進センター 業務指針
- REINS(不動産流通標準情報システム)概要資料
- 全国宅地建物取引業協会連合会 業務関連資料
- 大手仲介・管理会社の採用情報・業務説明
- 全国賃貸住宅新聞 業界動向記事
この記事は2026年5月時点の情報に基づいて執筆しています。リーシング業務の実態は会社・業態により異なるため、応募時には具体的な業務内容を直接確認することをおすすめします。

