「賃貸管理営業って、実際どんな1日を過ごすの?」
転職を検討している人なら、誰もが気になるところですよね。求人票には「オーナー対応」「契約更新」「物件巡回」みたいな業務が並んでいるけど、それが具体的にどういう動きになるのか、外からは全然見えない。
正直、賃貸管理営業の1日って、けっこう特殊です。完全に決まったルーティンじゃないけど、月単位・週単位ではかなり読める。デスクワークと外回りが半々で、社内調整と社外対応が交互に来る。「忙しいけど、走り回るタイプの忙しさじゃない」——この感覚が伝わる人は少ないと思います。
この記事では、賃貸管理営業(=オーナー対応職)の1日と1ヶ月のリアルを、業界の実態に即して詳しく解説します。朝の出社から夜の退社まで、どんな業務をどう回しているのか、月初・月中・月末でどう違うのか、繁忙期と閑散期のギャップはどれくらいか。
転職後のミスマッチを防ぐためにも、ぜひ最後まで読んでください。
賃貸管理営業の役割をざっくり整理
具体的な1日の流れに入る前に、まず賃貸管理営業がそもそも何をする仕事なのかを整理しておきます。
オーナーと管理会社の橋渡し役
賃貸管理営業の本質は、オーナー(物件所有者)の代理人として物件を運営すること。具体的には以下のような業務を、オーナーから受託して行います。
- 入居者からの家賃集金とオーナーへの送金
- 契約更新交渉と書類作成
- 退去手続きと原状回復の手配
- 入居者からのクレーム・トラブル対応
- 空室発生時の客付けと家賃設定
- 修繕計画の提案と実施
- オーナーへの収支報告と相談対応
要は、**「オーナーが本来やるべき大家業を全部代行する」**のが基本ミッション。これに加えて、新規物件の管理受託営業(リプレイス含む)も担当することが多いです。
1人で何戸担当するのか
業界の標準的な担当戸数は、業態と業務の濃度によって違いますが、1人あたり300〜800戸が目安です。
- ハウスメーカー系大手(マスターリース中心):500〜1,000戸/人
- 仲介系・独立系(管理委託中心):300〜500戸/人
- 高級・特殊物件中心:100〜200戸/人
この戸数が「忙しさ」を直接決めます。1人800戸を担当すると、1日に対応すべき案件が常時数十件ある状態。1人300戸なら、もっと丁寧に1案件ずつ対応できます。
担当オーナー数の感覚
戸数だけでなく、担当する「オーナー数」も重要です。
- 1棟物のアパート・マンションが多いエリア:20〜40名のオーナー担当
- 区分マンションの管理が中心:50〜100名のオーナー担当
オーナー対応のメインは「人」なので、何人のオーナーと関係を築くかが日々の業務量を左右します。
賃貸管理営業の1日(典型的なケース)
ここから、賃貸管理営業の典型的な1日を時系列で追いかけます。あくまで「平均的な日」のイメージで、繁忙期や月末月初は別パターンになります。
8:30 出社・朝の準備
朝はだいたい8:30〜9:00出社。会社によってフレックス制を導入しているところもありますが、賃貸管理は対オーナー・対入居者の業務が多いので、定時出社が基本。
まずやるのはメールチェックと当日のスケジュール確認。前日の17:00以降に届いている問い合わせや、夜間にコールセンター(外注の場合)から転送されてきた緊急案件を確認します。
水漏れ、給湯器故障、騒音トラブル、鍵のトラブル——緊急対応が必要な案件は朝イチで業者手配や電話連絡を入れます。これに30分〜1時間くらいかかる日も多い。
9:30 朝礼・チーム共有
9:30頃から朝礼を実施する会社が多いです。チーム単位で前日の業務報告、当日の予定共有、重要案件の引き継ぎなどを行います。
最近は朝礼を簡素化している会社も増えていて、Slackやチャットツールでの共有に切り替えたところも。**「朝礼に1時間かけるのは時代遅れ」**という認識が業界全体で広まりつつあります。
10:00 オーナー訪問・現地調査
朝礼が終わったら、午前中はオーナー訪問や物件巡回に出ることが多いです。
オーナー訪問の主な目的は:
- 定期的な報告訪問(月1回〜四半期1回が目安)
- 契約更新の打ち合わせ(更新月の2〜3ヶ月前から)
- 修繕提案・大規模修繕の相談
- トラブル発生時の経緯説明と対応相談
- 新規受託(リプレイス)営業(他社管理物件のオーナー)
訪問先の地域や物件数によって、午前中で2〜3件のアポを回ることもあれば、移動の長い1件で午前中いっぱいかかることも。
物件巡回の場合は、共用部の清掃状況、設備の不具合、入居者のマナー違反(ゴミ出しルール違反など)をチェックします。**「現場を見ないと判断できない」**案件が多いので、巡回業務は欠かせません。
12:30 ランチ
外回りの途中でランチを取ることが多いです。1人ランチでメール対応しながら食べる、というスタイルになりがち。
会社によっては、ランチタイムにオーナーを誘って食事会を入れることもあります(特にリプレイス営業や、関係構築の段階)。
13:30 帰社・午後の業務開始
午後は帰社して、デスクワーク中心になることが多いです。
主な業務は:
- オーナーへの収支報告書作成
- 契約書・更新書類の作成
- 修繕業者への見積依頼と調整
- 入居者対応(電話・メール返信)
- 新規募集物件の登録・写真整理
- 社内会議・部内ミーティング
このフェーズが、賃貸管理営業の「事務処理パート」です。1日の業務量の半分くらいは、書類作成と社内調整に時間が取られるのが実態。
16:00 物件視察・夕方の外回り
午後の遅い時間に、もう一度外に出ることもあります。
例えば:
- 退去立会い(退去者と一緒に部屋をチェック)
- 入居審査の最終確認(申込者の本人確認)
- 緊急修繕の現場確認(業者が作業している現場の最終チェック)
退去立会いは、入居者の都合に合わせる業務なので、夕方〜夜の時間帯になることが多い。
18:00 帰社・1日の締め
夕方に帰社したら、当日の業務のまとめ作業。日報の作成(会社による)、翌日のアポ確認、未対応案件のリストアップなどを行います。
定時は18:00ですが、繁忙期や案件が立て込んでいる時期は19:00〜20:00まで残業することも珍しくありません。月の平均残業時間は20〜40時間程度(会社・配属先による)。
19:00 退社
定時で帰れる日もあれば、夜遅くなる日もあります。**「夜中に水漏れトラブルで呼び出される」**ようなケースは、最近はコールセンター外注で減っていますが、ゼロではありません。
担当オーナーから直接携帯にかかってくる電話への対応は、業務時間外でも発生し得ます。これがオーナー対応職の特殊性のひとつです。
賃貸管理営業の1ヶ月の流れ
1日単位だけでなく、1ヶ月の業務サイクルを理解しておくと、繁忙期の感覚がつかめます。
月初(1〜5日):収支報告ラッシュ
月初は、前月分の家賃集金結果と収支報告書をオーナーに送付する時期。これがめちゃくちゃ忙しい。
- 前月分の家賃集金結果の確認
- 滞納者への督促連絡
- オーナーへの送金処理(2〜10日前後で実施)
- 収支報告書の作成・郵送(または電子送付)
- 月初に発生する各種支払い処理
特に管理戸数が多い担当者は、月初の1週間がほぼこの作業で埋まります。月初は外出より社内事務優先になりがち。
月中(6〜20日):通常業務+更新交渉
月中は比較的「通常運転」の期間。オーナー訪問、物件巡回、入居者対応、修繕手配など、日常業務を回す時期。
ただし、契約更新の交渉が活発化するのもこの時期。次月以降に契約更新を迎えるオーナー・入居者への事前連絡、家賃改定の提案、書類準備などを進めます。
月末(21〜末日):退去・入居の集中
月末は、退去と新規入居の手続きが集中する時期。賃貸契約は月末締め・月初開始が多いため、この時期に動きが集中するのが構造的な特徴です。
- 退去立会いと原状回復確認
- 新規入居者の鍵渡し・入居前確認
- 原状回復工事の手配と確認
- 新規募集の準備と内見対応
- 月末締めの社内処理
月末は外回りが増えて、夕方〜夜まで動き回ることが多くなります。
繁忙期と閑散期のギャップ
賃貸管理営業の業務量は、季節による波があります。
繁忙期(1〜3月):業界全体が走り回る時期
最大の繁忙期は1月〜3月。学生の進学、社会人の就職・転勤、ファミリー層の住み替えなどが重なる、賃貸業界の最大商戦期です。
賃貸管理営業の業務も以下のように加速します:
- 退去ラッシュと新規入居の集中(通常月の3〜5倍)
- 原状回復工事の業者手配が逼迫(工事日程の確保が困難)
- 新規募集の家賃設定と物件募集
- 内見対応(仲介担当との連携)
- オーナーへの繁忙期戦略の報告
この時期は残業60〜80時間/月になる会社も珍しくない。土曜出勤も発生します。
中期繁忙(4月、9〜10月):ミドルピーク
4月の新生活始まりや、9〜10月の秋の異動需要も、繁忙期に次ぐ忙しい時期です。1〜3月ほどではないですが、業務量は通常月の1.5倍くらいに増えます。
閑散期(5〜8月、11〜12月前半):比較的余裕
5〜8月は賃貸需要が落ち着く時期。この時期はオーナー営業・リプレイス営業に時間を割くチャンスです。
繁忙期に動けなかった既存オーナーへの訪問、リプレイス対象オーナーへの新規アプローチ、長期的な戦略立案などができます。
11〜12月前半も比較的落ち着いている期間。有給を取りやすいのは6月、7月、11月というのが業界の常識です。
業務で実際に発生する5つの典型シーン
文字だけだとイメージしづらいので、賃貸管理営業の現場でよく起きる5つのシーンを具体的に描写します。これを読むと、「こういう仕事なんだ」というリアル感が伝わるはずです。
シーン1:契約更新の家賃改定交渉
入居者が3年目を迎える物件で、近隣相場が上がっているのでオーナーから「家賃を上げてほしい」と相談されたケース。
担当者の動きは:
- 近隣相場のデータ収集(SUUMOやアットホームの掲載情報、自社管理物件の家賃帯)
- 入居者の支払い実績、トラブル履歴の確認
- 上げる場合・現状維持の場合・下げる場合の3パターンでシミュレーション作成
- オーナーへの提案(「現状維持で更新→3年後に再評価」が多くのケースで推奨)
- 入居者への通知文書作成と発送
- 場合によっては入居者との対面交渉
家賃改定は1件で3〜5時間かかる業務で、月に5〜10件抱えていると、これだけで業務時間の2〜3割を取られます。
シーン2:水漏れトラブルの緊急対応
夜中の23時に、入居者から「上の階から水漏れしている」と緊急電話。
担当者の対応(コールセンター外注がない場合):
- 入居者の状況確認(被害程度、現在の対処)
- 上階の入居者への連絡と立入の許可取得
- 24時間対応の修繕業者への連絡と現地派遣依頼
- 翌朝、現場確認とオーナーへの報告
- 損害賠償の整理(誰が誰に何を請求するか)
- 保険会社への連絡(火災保険・施設賠償責任保険)
- 復旧工事の手配
1件の水漏れトラブルで、対応期間は2週間〜1ヶ月かかることもあります。コールセンター外注がある会社では、夜間対応は外注先が一次対応してくれるので、担当者の負担は軽減されています。
シーン3:退去立会いと敷金トラブル
入居者の退去日。立会いの場で、入居者と原状回復の負担区分でもめるケース。
典型的な争点:
- 壁紙の交換費用(経年劣化 vs 入居者の故意過失)
- フローリングの傷(普通の使用 vs 過失)
- ハウスクリーニング代(契約特約の有効性)
- エアコン清掃費(設備の維持責任)
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を根拠に、丁寧に説明することが求められます。経験の浅い担当者だと、ここでオーナー・入居者双方を満足させる落としどころを見つけるのが難しい。
シーン4:大規模修繕の提案
築20年を超えたマンションで、外壁塗装と屋上防水の大規模修繕が必要になったケース。
担当者の動き:
- 建物診断業者への見積依頼(2〜3社相見積もり)
- 修繕費用のシミュレーション(オーナー負担・修繕積立金の状況)
- オーナーへの提案資料作成(なぜ今やるべきか、費用対効果、入居率への影響)
- オーナーとの打ち合わせ(複数回)
- 工事業者選定と契約締結のサポート
- 工事期間中の入居者への説明・配慮
- 完了後の品質確認
1棟の大規模修繕で、提案開始から完了まで6ヶ月〜1年かかる長期プロジェクト。担当者の力量が試される業務です。
シーン5:オーナー向けの収益改善提案
長期間入居率が下がっている物件で、オーナーから「どうしたらいい?」と相談されたケース。
提案の選択肢:
- 家賃の見直し(下げる、もしくはキャンペーンで集客)
- リフォーム・リノベーション(投資対効果の試算)
- ターゲット入居者層の変更(単身→ファミリー、社会人→学生など)
- 設備の追加(無料Wi-Fi、宅配ボックス、防犯カメラなど人気設備)
- 物件の売却(出口戦略として)
「物件を売る」という提案までできるのが、本当に信頼されている担当者。短期的には自社の管理戸数が減りますが、オーナーの利益を最優先する姿勢が長期的な信頼を生みます。
経験者が語る「あるあるエピソード」
賃貸管理営業の現場でよく聞く「あるある」を3つ紹介します。これも実態を知る材料に。
あるある1:「電話が鳴り止まない日」
繁忙期の最悪のパターン。朝出社してから夜まで、電話とチャットが鳴り続けて、デスクワークが全然進まない日があります。
水漏れ、騒音苦情、鍵の紛失、暖房・冷房の故障、内見アポイント、オーナーからの問い合わせ、業者からの折り返し——電話の対応で1日が終わってしまうこともあるんです。
こういう日は、夜に残業して書類処理を片付けるか、翌日の朝早く出社してリカバリーするしかない。「全部対応する」を諦めて優先順位をつけて捨てる勇気が、経験を積むと身につきます。
あるある2:「オーナー間の温度差」
同じ物件タイプを所有していても、オーナーによって関心の方向が全然違うのが面白いところ。
例えば、ある木造アパートのオーナーAは「とにかく入居率を上げてほしい」、別の同タイプ物件のオーナーBは「適正な家賃で良い入居者を選んでほしい」、オーナーCは「面倒なことは全部任せるから連絡してくるな」。
3者3様のニーズに合わせて対応を変えるのが、賃貸管理営業の腕の見せどころ。これができるようになると、業務がぐっと楽しくなります。
あるある3:「入居者がオーナーの息子だった」
これは笑い話だけど、実際にあるエピソード。新規入居の申込が入って、保証会社の審査を通そうとしたら、本人がオーナーの息子だったというケース。
世代交代の前段階で、息子が父親の物件に住むことで管理状況を把握する、というパターン。担当者として、急に「これからはあなたの息子が入居者で、ゆくゆくは私のオーナーかもしれない」という関係に変わります。
こういう関係性の機微を読みながら動くのが、賃貸管理営業の人間味のある側面です。
オーナー対応の難しさと面白さ
賃貸管理営業の核心は「オーナーとの関係性」。ここが一番難しく、一番面白い部分でもあります。
担当オーナーの典型像
賃貸物件オーナーには、以下のようなパターンが多いです。
1. 60〜80代の地主オーナー 代々続く地主層で、相続税対策や土地活用で賃貸経営を始めた人。判断は慎重で、長期関係を重視する。最も多いタイプ。賃貸管理業界のベース層と言っていい存在で、彼らとの信頼関係を築けるかどうかが営業成績を左右する。
2. 50〜60代のサラリーマン投資家 退職金や貯蓄で1〜数棟を所有する個人投資家。収益性に厳しく、データを重視する。Excelで自分なりの分析をしている人も多く、対応にはロジカルな数字提案が必須。
3. 30〜40代の若手投資家 不動産投資ブームで参入した若手層。スピード重視で、数値とロジックでの説明を求める。
4. 法人オーナー(企業所有物件) 企業が福利厚生や資産運用で所有する物件。窓口は総務部や経理部の担当者。
それぞれ求めるコミュニケーションスタイルが全然違うため、担当者は柔軟に対応する必要があります。
オーナーとの信頼関係の作り方
業界経験者の言葉を借りるなら、「オーナーから信頼される担当者」の特徴は以下です。
- レスポンスが速い(電話・メールに必ず当日中に返信)
- 報告が丁寧(定期報告だけでなく、細かい変化も知らせる)
- 提案がシンプル(専門用語を多用せず、判断材料を明確に提示)
- ミスを認める(隠さず、対策まで提示する)
- 物件に詳しい(自分が担当している物件の状態を熟知している)
これらは経験を積めば身につくスキル。最初の1〜2年は失敗もあるけど、それも信頼を築く糧になる——というのが業界の感覚です。
オーナー対応で起こりがちなトラブル
一方、トラブルも多い領域です。
- 家賃減額交渉でオーナーが不満を持つ
- 修繕費の見積もりに納得してもらえない
- 入居者トラブルの対応について意見が割れる
- 退去時の原状回復負担で揉める
- 他社からのリプレイス提案でオーナーが揺れる
これらはどんなに優秀な担当者でも遭遇します。重要なのは、トラブルを「ピンチ」と捉えるか「信頼を深めるチャンス」と捉えるか。後者の発想ができる人が、長期的に成功します。
求められるスキル・知識
賃貸管理営業には、複数の領域のスキル・知識が求められます。
1. 法律知識
最も基本的かつ重要。
- 借地借家法
- 民法(契約・債権編)
- 賃貸住宅管理業法
- 宅地建物取引業法
- 区分所有法
これらの基礎理解があると、オーナーと入居者の間のトラブル対応が格段にスムーズになります。
2. 建築・設備の基礎知識
物件巡回や修繕提案で必須。
- 建物構造(木造、RC造、S造など)の基本
- 給排水・電気・ガス設備の基礎
- 内装材の特性と耐久性
- 修繕費用の相場感
専門家になる必要はないですが、業者と対等に会話できるレベルの知識は欲しい。
3. 数字・収支のセンス
オーナー対応はビジネスなので、数字に強い必要があります。
- 表面利回り・実質利回りの計算
- 損益分岐点の把握
- 修繕積立金の運用
- 税金(固定資産税、所得税)の基礎
ファイナンシャルプランナー(FP)2級程度の知識があると、オーナーへの提案力が大きく上がります。
4. コミュニケーション力
これは説明するまでもないですが、**「相手の話を聞く力」**が特に重要。
オーナーは年齢が上のことが多く、話を最後まで聞かないと信頼を失います。スキルとしては「傾聴力」「質問力」「言語化力」の3つが核になります。
5. ITリテラシー
最近は必須になっています。
- 物件管理システム(いえらぶCLOUD、ESLEAD、いい生活など)の操作
- Excel・スプレッドシートでの収支管理
- ChatworkやSlack等のビジネスチャット
- 電子契約システムの操作
- スマートフォンでの撮影・データ管理
ITが苦手だと、業務効率で大きく差がつきます。
キャリアパスと年収レンジ
最後に、賃貸管理営業のキャリアパスと年収レンジを整理します。
キャリアパス
賃貸管理営業からの主なキャリア展開は以下です。
1. 主任→係長→課長→支店長→本部の管理職ルート(王道) 社内で順調に昇進していく標準コース。
2. オーナー対応のスペシャリスト 管理職にはならず、現場のスペシャリストとして長く活躍する道。
3. リプレイス営業への異動 社内異動で、新規受託の営業職に転身。年収アップが期待できる。
4. PM・AMへの転身 オフィス・商業のプロパティマネジメント、または不動産ファンドのアセットマネジメントへ。
5. 独立・起業 経験を積んで自分で管理会社を立ち上げるパターン。地方では一定数います。
年収レンジ
賃貸管理営業の年収レンジは以下が目安です。
- 20代:350〜500万円
- 30代:500〜750万円
- 40代以上(管理職):700〜1,000万円
- 本部・経営層:900〜1,500万円
業態(サブリース系・仲介系・独立系)、地域、企業規模で大きく変動します。詳しくは「賃貸管理の年収相場」の記事で詳述しています。
向いている人・向いていない人
賃貸管理営業は、向き不向きが比較的はっきりした職種です。
向いている人
- 年配の人と話すのが好きな人:オーナーは年齢層が高いことが多い
- ルーティンと突発対応の両方をこなせる人:業務サイクルがあるが、緊急対応も多い
- 長期的な関係構築が得意な人:1度きりの取引ではなく10年・20年の関係
- 数字とコミュニケーションの両方が苦にならない人:収支管理と人間関係の両輪
- 業界の長期的なキャリアを築きたい人:積み上げ型のキャリア
向いていない人
- 即決・スピード重視の人:オーナー対応は時間がかかる
- 数字だけで動きたい人:歩合給で大きく稼ぐ業態ではない
- クレーム対応の精神的負担に弱い人:避けて通れない業務
- デスクワークが嫌いな人:意外と書類仕事が多い
まとめ|地味だが奥深い、長く続けられる仕事
賃貸管理営業の1日と全体像を見てきました。整理するとこうです。
- 1日は朝礼・外回り(オーナー訪問・物件巡回)・午後のデスクワークで構成
- 1ヶ月は月初の収支報告ラッシュ・月中の通常業務・月末の退去入居集中のサイクル
- 繁忙期(1〜3月)は通常月の3〜5倍の業務量、閑散期は5〜8月
- 必要なスキルは法律・建築・数字・コミュニケーション・ITリテラシーの5本柱
- 年収レンジは20代350〜500万、管理職クラスで700〜1,000万円
- **「年配のオーナーと長期関係を作れる人」**が向いている
賃貸管理営業は、表面的には地味な仕事です。SNS映えするわけでもないし、派手な成果が出るタイプの仕事でもない。
でも、やればやるほど専門性が積み上がり、長く続けられる——これがこの仕事の本質的な魅力です。50代・60代になっても現役で活躍できる人が多い職種は、現代の日本ではむしろ貴重。
業界に転職する人、特にオーナー対応職を志望する人は、この記事の内容を頭に入れた上で、面接や入社後の業務に臨んでください。「思っていたより地味」と感じるかもしれませんが、その地味さの中にこそ価値がある——これが10年経って気づくことです。
そして、賃貸管理営業として成長すると、不動産業界の他の領域(PM、AM、デベ、仲介)にも視野が広がります。最初の3〜5年で身につけた「オーナー対応の基礎」は、その後のキャリアでずっと使える資産になります。長期視点で、じっくり腰を据えて取り組む価値のある職種だと感じています。
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- 「賃貸管理業界の面接で聞かれる質問15選|想定回答と評価ポイント」
参考にした一次情報・データソース
- 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」
- 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)業務指針
- 全国賃貸住宅新聞 業界動向記事
- 大東建託パートナーズ・ハウスメイトパートナーズ等の採用情報
- 業界の業務処理準則(国土交通省)
この記事は2026年5月時点の情報に基づいて執筆しています。具体的な業務内容は会社・配属先により大きく異なるため、応募先企業の業務説明会や面接で詳しく確認することをおすすめします。

